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2023.10.28 歯の破折とその治療

今回は先日処置をした歯の破折についてのお話です。

歯の破折とは、歯が折れたり割れたりすることをいい、犬猫においてはよく遭遇する歯の外傷です。

動物ではその原因のほとんどが硬いものを噛むことよるものです。

例えばひづめデンタルガム乾燥おやつなど、硬いお菓子やおもちゃを噛むことが好きな子は要注意です!

また、歯の構造のうち目に見えている部分を歯冠と言いますが、この表層部分であるエナメル質が動物では人より薄いことや

歯が尖った形をしていることも破折が起こりやすい理由と考えられます。

今回来院したワンちゃんも硬いものを噛むことが好きで破折をしてしまいました。

一般的にも破折することが最も多いといわれる、上顎第4前臼歯(1番大きな奥歯です)の破折であり、

破折の分類としては複雑性歯冠ー歯根破折にあたると診断しました。

複雑性歯冠ー歯根破折とは、目に見えている歯冠から、目には見えず顎骨内にある歯根にまで及ぶ破折で、

さらに露髄している場合をいいます。

露髄とは、歯の中心部分にあたり、神経や血管などが通る歯髄がむき出しになっている状態をいいます。

歯が露髄すると強い痛みが生じます。

また、露髄した歯を放置すると歯髄炎・歯髄壊死・根尖周囲膿瘍・敗血症などに進行することがあるため、早期の治療が必要です。

破折した歯の治療法は、どの歯の破折かやその折れ方、折れてからの時間経過、歯周囲の組織の状態など

さまざなことを考慮する必要があり、場合によっては抜歯が必要になることもあります。

今回の場合は露髄はしていたものの、歯根部の破折が軽度であったことと、今後は硬いおもちゃをやめ、

自宅でのデンタルケアも可能ということで、歯は温存し直接歯髄覆罩法をとることにしました。

まず初めに歯の汚れや歯石をすべて除去して破折片を取り除き、次に歯髄の一部を除去する断髄という処置をしてから

歯髄を保護するための覆罩剤を充填します。

その後、歯の形を作るための充填剤を使用し歯冠修復を行いました。

 

動物の噛む力は人間よりもはるかに強く、また前述した歯の特徴から、硬いものを噛むと直ぐに折れてしまいます。

お菓子やおやつ、おもちゃなどはなるべく柔らかいものに変更することが破折予防に繋がります!!

動物の口の中は観察が難しく、歯の破折は飼い主様が気付きにくい外傷です。

症状としては、片側の歯だけでごはんを食べるようになった硬いものを食べなくなった

好きだったおもちゃで遊ばなくなった最近よだれが増えた前足で口をこするなどが挙げられます。

当院ではワンちゃんや猫ちゃんの歯科検診を行っています。

歯の破折だけでなく、歯の汚れの程度や歯肉の状態、口腔内に腫瘍が無いかなどのチェックを行います。

また同時に簡単な歯のクリーニングや歯肉炎の治療、歯磨き指導や最適なデンタルグッズのご提案なども行っています。

ぜひ一度ご相談ください。