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2026.04.28 【症例紹介】5歳3カ月柴犬の縫い針誤飲|口から鼻まで貫通した異物を麻酔下で除去した症例

「ちょっと目を離したすきに、何かを口にしてしまったかもしれない…」

犬や猫と暮らしていると、こうした場面に不安を感じたことがある飼い主様もいらっしゃるのではないでしょうか。「誤飲・誤食」は身近なトラブルですが、飲み込んだものによっては体の内部を傷つけてしまうこともあり、注意が必要です。

今回は、縫い針を誤飲してしまい、口から鼻の奥まで貫通していた犬の症例について、来院時の状態から処置、現在の経過までをご紹介します。

■目次
1.症例情報(概要)
2.ご相談内容とご来院時の状態
3.検査結果と治療方針
4.処置の流れ
5.術後の様子と経過
6.犬や猫の誤飲・誤食について
7.まとめ

症例情報(概要)

種類:犬(柴犬)
年齢:5歳3カ月
性別:去勢オス
体重:13.1kg
主訴:縫い針の誤飲
処置内容:麻酔下での縫い針除去
術後経過:良好、通常の生活に復帰

ご相談内容とご来院時の状態

昨晩、縫い針をいたずらして口に刺さってしまった」とのことで来院されました。

診察時には、縫い針が上顎に刺さり、そのまま鼻腔を貫通して皮膚から先端が出ている状態でした。出血は認められませんでしたが、流涎(よだれ)が多く見られ、食欲も低下している様子でした。

見た目のインパクトが大きい状態ではありますが、このようなケースでは、無理に抜こうとすると針が折れたり、さらに深部を傷つけてしまうリスクがあるため、慎重な対応が必要になります。

検査結果と治療方針

まずレントゲン検査を行い、針の位置や状態を確認しました。

その結果、針は折れておらず、一本のまま残っていることが確認できました。無理に抜去することで折れてしまうリスクも考えられるため、安全に取り除く方法として、麻酔下での除去を行う方針としました。

飼い主様にも状態とリスクについて丁寧にご説明し、処置を進めることとなりました。

処置の流れ

治療は以下のように進めました。

① 麻酔下での処置
安全に処置を行うため、全身麻酔を実施しました。

② 縫い針の除去
刺さっている針が折れないよう、角度や抵抗を確認しながら慎重に抜去しました。

③ 刺入部位の処置
針が通過した部位については、感染や炎症を防ぐために念入りに消毒を行いました。

術後の様子と経過

処置後は、鼻腔内からの出血や刺入部位の感染も見られず、良好に経過しました。また、処置直後から食欲も改善し、元気も回復。現在は特に問題なく、通常の生活に戻っています。

犬や猫の誤飲・誤食について

犬や猫の誤飲・誤食は、日常の中で起こりやすいトラブルのひとつです。特に今回のように、縫い針やつまようじ、竹串などの鋭利な異物は、消化管や口腔内を傷つけるリスクがあり、早急な対応が必要になることがあります。

また「口にしてしまったけれど元気そうだから大丈夫そう」と様子を見てしまうケースもありますが、異物の種類によっては時間が経ってから症状が出ることもあります。さらに、無理に吐かせようとしたり、取り除こうとすることで、かえって状態を悪化させてしまうこともあるため注意が必要です。

誤飲が疑われる場合には、何をどのくらい、いつ頃飲み込んだのかをできるだけ把握したうえで、早めに動物病院へ相談することが大切です。

▼犬や猫の誤飲・誤食についてはこちらで詳しく解説しています

まとめ

今回の症例では、縫い針という鋭利な異物が口から鼻の奥まで貫通していましたが、適切な検査と麻酔下での慎重な処置によって、無事に取り除くことができ、良好な経過につながりました。

誤飲・誤食は「少し様子を見ても大丈夫かな」と迷いやすいトラブルですが、内容によっては早めの対応がその後の経過に大きく影響します。

かず動物病院では、誤飲・誤食の内容や状況を丁寧に確認しながら、その子にとって負担の少ない対応を一緒に考えていきます。気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

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