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2024.11.12 子犬の歯のケアと乳歯の問題┃早期ケアの重要性

犬は人間よりも歯が汚れやすく、愛犬が健康で長く幸せな一生を送るためには、日々の歯のケアがとても大切です。特に、子犬の時期から口腔ケアを始めておくことは、将来の歯の健康を維持し、様々な病気を防ぐための習慣づけとして有効です。さらに、子犬期は乳歯が永久歯に生え変わる大切な時期です。乳歯が自然に抜け落ちずに残ってしまうと、将来口腔トラブルの原因になることもあります。

そこで今回は、犬の歯のケアの重要性と、乳歯遺残によるリスクについて詳しく解説します。

■目次
1.乳歯期からの歯磨きの重要性
2.乳歯遺残の問題とリスク
3.乳歯の確認と対処のタイミング
4.乳歯抜歯の例外ケース
5.日常的な口腔ケアのアドバイス
6.まとめ

 

乳歯期からの歯磨きの重要性

「乳歯はどうせ抜けるから、子犬の頃の歯磨きは不要」と思われがちですが、子犬の時期に歯磨きに慣れさせることは、将来的に犬が口腔ケアを受け入れやすくするために非常に重要です。

生後数週間から歯磨きを始めることで、歯磨きを日常のルーチンとして受け入れるようになります。歯磨きには犬用の柔らかい歯ブラシと歯磨き粉を使用し、最初は週に数回から始めて徐々に頻度を増やしていきましょう

歯のケア方法とデンタルケア商品についてこちらで詳しく解説しています

 

乳歯遺残の問題とリスク

乳歯遺残とは、永久歯が生えてくる際に乳歯が自然に抜けずに残ってしまう状態です。これにより、かみ合わせが悪くなったり、歯石がつきやすくなったりなどの問題が生じ、歯肉炎や歯周病のリスクが増加します。

歯周病についてこちらで詳しく解説しています
歯肉炎についてこちらで詳しく解説しています

さらに、乳歯が残っていると永久歯のスペースが不足し、隣接する永久歯の成長や位置に影響を与える可能性もあります。

 

乳歯の確認と対処のタイミング

歯の生え替わりの時期には個体差がありますが、一般的に生後6か月頃には乳歯が抜け、永久歯が生えそろいます。そのため、生後6か月を過ぎても乳歯が残っている場合、乳歯抜歯が検討されます

乳歯抜歯は麻酔が必要な処置ですが、避妊や去勢手術と同時に行うことで麻酔の回数を減らし、犬の負担を軽減することが可能です。

 

乳歯抜歯の例外ケース

まれに永久歯が生えてこないケースがあり、乳歯をそのまま残すことが推奨されることもあります。永久歯が生えてくるかどうかは、目視では判断ができないため、レントゲン検査で歯の状態を正確に確認します。

 

日常的な口腔ケアのアドバイス

愛犬の歯を健康に保つためには、定期的な歯磨きが最も効果的です。犬用の歯磨き粉には犬にとって美味しいフレーバーがつけられており、飲み込んでも安全な成分で作られています。そのため、おやつ感覚で続けやすくなります。

また、歯磨き以外にも、デンタルケア専用のおもちゃやおやつを活用するのもおすすめです。これらのアイテムは、噛むことで歯垢を減らし、口腔ケアに役立ちます。

また、定期的に獣医師による口腔チェックを受けることで、見逃しがちな問題の早期発見が可能です。

 

まとめ

子犬の時期から歯のケアを始めることは、愛犬の生涯にわたる口腔の健康を維持するために欠かせません。早期のケアが将来のトラブル予防に役立ち、愛犬が快適に過ごせるようにサポートします。

歯のケアに関して気になることや不安があれば、ぜひ当院へご相談ください。

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