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2026.06.16 犬や猫の前庭疾患とは?首が傾く・ぐるぐる回る症状の原因と受診の目安

「急に首が傾いた」
「同じ方向へぐるぐる回っている」
「目が細かく揺れている気がする」

愛犬や愛猫にこのような症状が突然表れると、多くの飼い主様が驚き、不安を感じるのではないでしょうか。こうした症状は「前庭疾患(ぜんていしっかん)」と呼ばれる病気で見られることがあります。

前庭疾患は犬や猫で比較的よく見られる神経症状のひとつですが、その原因はひとつではありません。耳の病気が原因となることもあれば、脳の病気や加齢に伴う変化、認知症が関係しているケースもあります。

そこで今回は、犬や猫の前庭疾患について、症状や原因、受診の目安、動物病院での診察内容について解説します。

■目次
1.前庭疾患とは?どんな症状が見られる?
2.前庭疾患の原因|耳だけではありません
3.「年齢のせいかな?」と思ったときに知っておきたいこと
4.動物病院ではどのような診察・治療を行う?
5.まとめ|首の傾きやふらつきが見られたら

前庭疾患とは?どんな症状が見られる?

前庭とは、体のバランスを保つための仕組みのことです。耳の奥にある「内耳」と脳が連携しながら、体の向きや動きを調整しています。この仕組みに異常が起こると、平衡感覚がうまく働かなくなり、さまざまな症状が表れます。

よく見られる症状

前庭疾患では、次のような症状が見られます。

首が傾く(斜頸)
ふらつく
まっすぐ歩けない
同じ方向へぐるぐる回る
転倒する
目が細かく揺れる(眼振)
吐き気や食欲低下

症状の表れ方

前庭疾患の症状は突然表れることが少なくありません。昨日までは普通に歩いていた犬や猫が、朝になったら急に首を傾けていたというケースもあります。

また、軽いふらつき程度で済むこともあれば、自力で立つことが難しくなるほど重度になることもあり、症状の程度には個体差があります。

前庭疾患の原因|耳だけではありません

前庭疾患というと「耳の病気」というイメージを持たれることがありますが、実際にはさまざまな原因が考えられます。

・中耳炎・内耳炎
耳の奥に炎症が起こることで、前庭機能に影響が出ることがあります。
中耳炎や内耳炎では、首の傾きやふらつき、眼振などが見られることがあります。
原因によっては内科的な治療で症状の改善が期待できるケースもあります。

・脳腫瘍
シニア犬やシニア猫では、脳腫瘍が原因となることもあります。
前庭症状に加えて、意識状態の変化、けいれん、性格の変化などの神経症状を伴うこともあります。

・脳の萎縮や加齢による変化
高齢になるにつれて脳に加齢性変化が起こり、前庭症状が表れることがあります。
いわゆる「老齢性前庭疾患」と呼ばれる状態で、比較的高齢の犬で見られることがあります。

・認知症に伴う前庭症状
認知症による脳機能の変化が前庭症状に関係しているケースも考えられます。
例えば、夜鳴きや昼夜逆転、同じ場所を歩き続けたり、呼びかけへの反応が低下するなどの認知機能の低下とあわせて、首の傾きやふらつきが見られることがあります。

このように、同じように首が傾いていてもその原因はさまざまです。そのため、ご家庭だけで原因を判断することは難しく、診察や検査による確認が重要になります。

「年齢のせいかな?」と思ったときに知っておきたいこと

高齢の犬や猫では、前庭症状が表れても「年齢のせいかもしれないし、もう少し様子を見ようかな」と感じることがあるかもしれません。

実際に加齢変化が関係しているケースもあります。しかし一方で、中耳炎や内耳炎、脳の病気など、治療や管理が必要な病気が隠れていることもあります。

また、老齢性前庭疾患であったとしても、診察によって他の病気ではないことを確認することには大きな意味があります。

特に早めの受診をおすすめするケース

次のような場合は、早めの受診をご検討ください。

初めて前庭症状が出た
自力で立てない
症状が急激に進行している
食事や水分が十分にとれない
症状を繰り返している

迷ったときはまず相談を

前庭症状は、原因によって治療やケアの方法が大きく異なります。診察によって原因を整理することで、今後の見通しや治療の選択肢、ご自宅でのケア方法などが見えてくることも少なくありません。

また、加齢による変化が関係している場合でも、その子に合った生活のサポート方法を検討できることがあります。「年齢のせいかもしれない」と感じる場合でも、まずは一度相談してみることをおすすめします。

動物病院ではどのような診察・治療を行う?

前庭症状が見られた場合、まずは症状の原因をできるだけ正確に把握することが大切です。

当院では、症状がいつから見られているか、どのような変化があったかなどを詳しくお伺いしたうえで、神経学的検査耳の状態の確認血液検査などを行います。また、症状や検査結果に応じて、レントゲン検査などの画像検査をご提案することもあります。

こうした診察を通して原因を見極め、その結果に応じて次のような治療やケアの方法を検討していきます。

耳の炎症に対する内科治療
吐き気やふらつきを和らげる治療
認知症に対するケアや生活環境の見直し
ご自宅での介助方法のご提案

前庭疾患の中には、症状の改善を目指せるものもあれば、長期的に付き合っていく必要があるものもあります。そのため当院では、症状の軽減だけでなく、飼い主様の介護やケアの負担も含めて考えながら診療を進めています。

また、より高度な検査や専門的な治療が必要と判断した場合には、二次診療施設をご紹介し、連携しながら対応しています。

まとめ|首の傾きやふらつきが見られたら

前庭疾患は、耳の病気だけでなく、脳の病気や加齢による変化、認知症など、さまざまな原因によって起こります。

症状だけで原因を判断することは難しく、「年齢のせい」と思われる変化の中に病気が隠れていることもあります。一方で、診察や検査によって原因を整理することで、治療や今後の付き合い方が見えてくるケースも少なくありません。

かず動物病院では、犬や猫の前庭症状について丁寧に原因を確認し、その子に合った治療やケア方法をご提案しています。首の傾きやふらつき、眼振など気になる症状が見られた際は、どうぞお気軽にご相談ください。

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かず動物病院
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