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2024.12.09 最近うちの子がよくおしっこをするし血尿もでる!┃もしかしたらそれって尿石症かも?

愛犬愛猫に頻尿や血尿の症状が見られると、飼い主様としてとても心配になりますよね。

こうした症状の原因として考えられるのが尿石症です。この病気は尿中のミネラル分が結晶化して石になることで発症します。特に水分摂取量が減りがちな冬場は、発症リスクが高まることが知られています。

今回は、尿石症の特徴や予防方法、さらには類似した症状を示す疾患との違いについて詳しく解説します。

■目次
1.尿石症ってどんな病気?犬と猫それぞれの特徴
2.尿石症の主な症状と早期発見のポイント
3.尿石症と間違えやすい病気について
4.診断・治療方法について
5.尿石症を予防するために
6.おうちでできる尿石症チェックリスト
7.まとめ

 

尿石症ってどんな病気?犬と猫それぞれの特徴

尿石症とは、尿中に溶けきれなくなったミネラル分(マグネシウム、リン、カルシウムなど)が結晶化し、石になってしまう病気です。この病気は尿pHの異常や水分不足による尿の濃縮、不適切な食事、体質、膀胱炎などさまざまな要因で発症します。特に寒い季節は水を飲む量が減り、尿が濃縮されやすいため、発症しやすい傾向があります。

また、犬と猫では特徴が異なります。

犬の尿石症の特徴

尿石にはいくつかの種類がありますが、犬では膀胱炎に伴う細菌感染が原因で尿pHが上昇し、ストルバイト結石が形成されることがよくあります。また、代謝性疾患に起因する結石も見られます。

猫の尿石症の特徴

猫の場合は、原因が特定できない特発性膀胱炎が形成を促す要因の一つです。特にオス犬やオス猫は尿道が細く曲がっているため、尿石症に伴い尿道閉塞を起こしやすく、命に関わるリスクが高いことが特徴です。

 

尿石症の主な症状と早期発見のポイント

尿石症を疑うべき主な症状は以下の通りです。

頻尿
トイレに何度も行くのに尿が出ない、または少量しか出ない場合は、頻尿のサインです。

血尿
尿の色が赤色や赤褐色になり、排尿後に血液が垂れることがあります。

トイレ以外の場所での排泄
頻尿感からトイレに間に合わず、トイレ外で排泄してしまうことがあります。

陰部をなめる
排尿時の違和感や痛みから、陰部を頻繁に舐める仕草が増える場合があります。

これらの明らかな症状が現れる前に、トイレに長く滞在したり、落ち着かずにそわそわする、トイレ中に鳴くなどの行動の変化が見られることもあります。これらの様子がみられたら、排泄の様子に注意するようにしてみてください。

 

尿石症と間違えやすい病気について

尿石症の症状は、膀胱炎や膀胱腫瘍とも似ているため、これらの疾患と混同されやすいです。以下に、それぞれの違いを簡単に説明します。

膀胱炎
頻尿や血尿が見られる点で尿石症と似ていますが、膀胱炎は炎症により膀胱粘膜が硬くなり頻尿感を引き起こします。一方、尿石症は尿石が粘膜を刺激して症状が出ます。また、尿石症は肉眼的に見ても尿がキラキラしていたり、サラサラしていたりすることがあるため、そこで見分けがつくこともあります。
尿石症が原因で膀胱炎になることもあります。

膀胱腫瘍
腫瘍による出血や刺激で頻尿や血尿が起こることがあります。膀胱腫瘍を確定診断するにはエコー検査やレントゲン検査などの画像診断が必要です。

膀胱炎が長引くと思ったら腫瘍だった…というケースもあるため、血尿がみられたり、治療に時間がかかったりしている場合は、早めに動物病院を受診し検査を受けるようにしましょう。

 

診断・治療方法について

動物病院では、まず飼い主様から症状や経過について詳しく聞き取ります。いつから頻尿や血尿が始まったのか、排尿時にどんな様子が見られるのかなどを確認することで、病状を把握します。

その後、尿検査を行い、尿の中に血液や結晶が含まれていないか、尿pHが異常ではないかを調べます。さらに、レントゲンや超音波(エコー)検査を使って、結石の位置や大きさ、膀胱や尿道の状態を確認します。これにより、尿石症かどうかを診断し、他の病気との鑑別も行います。

治療は症状や結石の種類、犬や猫の体調に応じて以下のような方法を選択します。

食事療法
尿石症専用の療法食への切り替えで結石を溶かしたり再発を防いだりします。

膀胱炎の治療
尿石症と膀胱炎を併発している場合、抗生物質や抗炎症薬を使って炎症を治療します。炎症の改善と共に尿石が消失するケースもありますが、膀胱炎が治癒しても尿石が残る場合は食事療法が必要です。

サプリメントの使用
尿pHを調整するサプリメントを併用することがあります。食の選り好みが強くなかなか処方食を食べられない子や、処方食だけでは尿石のコントロールが難しい子は補助的に使用します。

外科手術
内科療法で改善しない場合や、結石が大きい場合、尿道に詰まっている場合は、外科手術が必要になることがあります。

どの治療法を選ぶかは、犬や猫の状態、飼い主様の希望を踏まえて決定します。獣医師と相談しながら、愛犬愛猫にとって最適な方法を選びましょう。

 

尿石症を予防するために

尿石症を予防するには、普段の生活で水分を十分に摂らせることが重要です。特に猫はもともと飲水量が少なく、さらに寒い季節には飲水量が減りがちです。

そのため、ウェットフードを取り入れたり、ドライフードをふやかしたり、水飲み場を複数設置するなど、水分摂取量を増やす工夫をしましょう。

また、定期的に動物病院で健康診断を受けることで、尿石症やその他の病気を早期に発見できます。特に高齢の犬や猫、尿路トラブルを経験したことがある犬や猫は、定期検査の頻度を増やすことを検討しましょう。

 

おうちでできる尿石症チェックリスト

日常的な観察のポイントとしては以下が挙げられます。

・排尿の回数や量に異常がないか
・尿の色や透明度に変化がないか
・元気や食欲に変化がないか
・飲水量が極端に増減していないか

これらの様子に異常が見られた場合は、可能なら当日の新鮮な尿を持参して動物病院を受診しましょう。特に血尿が出た場合はあまり長く様子を見ないで、できるだけ早く受診するようにしてください。

 

まとめ

尿石症は、適切な予防と早期発見でリスクを大幅に減らせる病気です。特に冬場は飲水量が減りやすいため、食事や水分摂取に気を配りましょう。

また、日常的に排尿の様子をチェックし、頻尿、血尿、排尿時の異常な行動がないか観察してください。さらに、トイレに長く滞在する、鳴くなどの行動が増えた場合には早めに動物病院を受診しましょう。

横浜市南区
犬・猫・うさぎ・ハムスター・フェレットの動物診療を行う
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