2024.06.19 犬と猫の皮膚病について┃原因や皮膚病にならないための対策とは?
愛犬や愛猫の皮膚が赤くなっていたり、いつもより掻いていたりしたら、それは皮膚病の可能性があります。実は、皮膚の疾患は治療が長引いたり再発したりすることが多いため、早期発見・早期治療はもちろん、病気にならないよう日頃から対策を講じておくことも大切です。
そこで今回は、犬と猫の皮膚病について、原因や症状、皮膚病にならないための対策についてお話しします。
■目次
1.皮膚病とは?
2.種類ごとの皮膚病の症状
3.診断方法
4.処置方法
5.皮膚病にならないための対策
6.まとめ
皮膚病とは?
「皮膚病」といってもさまざまな種類があります。代表的なものは以下の通りです。
・膿皮症:細菌による感染症
・皮膚真菌症:真菌による感染症
・アトピー性皮膚炎:ダニや花粉などの環境中のアレルゲンに対する過剰な免疫反応
・ノミアレルギー性皮膚炎:ノミに対するアレルギー反応
・食物アレルギー性皮膚炎:特定の食物に対するアレルギー反応
・天疱瘡:免疫システムが自分の皮膚を攻撃する病気
・脂漏症:皮膚の脂の分泌量が過剰になる病気
・内分泌系疾患:甲状腺機能低下症やクッシング症候群などの内分泌疾患によって引き起こされる皮膚病
・心因性脱毛症:ストレスや不安などの心理的な原因によって引き起こされる脱毛症
種類ごとの皮膚病の症状
皮膚病は種類によってある程度特徴的な症状があります。
症状 | 疑われる皮膚病 |
周囲にフケを伴う円形の脱毛 | 膿皮症 |
皮膚の赤み、毛のベタつき、フケ、黒ずみ | マラセチア性皮膚炎 |
顔周りやお腹、指の間、足の付け根を中心に皮膚の赤み | アトピー性皮膚炎 |
顔周りや指の間、足の付け根を中心に円形の脱毛やフケ | 皮膚糸状菌症 |
皮膚や毛のベタつき、脂漏臭 | 脂漏症 |
左右対称の脱毛、皮膚の黒ずみ | 甲状腺機能低下症に伴う皮膚疾患 |
診断方法
症状だけでは原因を特定することができないため、複数の皮膚検査を組み合わせることで総合的に診断します。具体的な検査内容は以下の通りです。
・問診:飼い主様への問診を行い、皮膚病の症状や経過、生活環境などを詳しく聞き取ります。
・視診:皮膚の状態を直接観察します。
・触診:皮膚の感触や弾力などを触診します。
・細胞診:綿棒などで膿やカサブタ、フケなどを採取し、顕微鏡で観察します。
・真菌検査:皮膚や毛から真菌を採取し、培養検査を行います。
・アレルギー検査:血液検査や皮膚テストを行い、アレルギーの原因物質を調べます。
処置方法
皮膚病と診断されたら、原因に合った薬や薬用シャンプーを使用して治療を行います。
シャンプーは週に1〜2回を目安に自宅で行っていただきますが、必ず病院で処方されたものを使用するようにしましょう。なお、ご自宅でのシャンプーが難しい場合は、病院で処置を受けることも可能ですので、お気軽にご相談ください。
皮膚病にならないための対策
皮膚病を予防するためには、皮膚を常に清潔に保つことも大切です。犬の場合、最低でも月に1回はシャンプーをし、こまめにブラッシングも行いましょう。ただし、シャンプーのやりすぎや、やり方を誤ると逆に皮膚病を引き起こす恐れがありますのでご注意ください。
そのため、シャンプーを行う際は以下のようなことに注意しましょう。
・シャンプー前に必ずブラッシングを行う
・皮膚を傷つけないよう力加減に注意しながらブラッシングを行う
・必ず犬用猫用のシャンプーを使用する
・自然乾燥や半乾きは避ける
猫の場合は、基本的にシャンプーの必要はありませんが、生活環境を清潔に保ち、こまめにブラッシングを行いましょう。
まとめ
皮膚病が悪化すると犬や猫にとって強い痒みを引き起こし、これが大きなストレスとなります。痒みが続いてしまうと、愛犬や愛猫の生活の質が大きく低下し、食欲不振や活動量の減少など、他の健康問題を引き起こす可能性もあります。そのため、愛犬愛猫の皮膚の様子を普段からよく観察し、異変を感じたら早めに動物病院を受診するようにしましょう。
他にも疑問・質問などあればお気軽にお問い合わせください。
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