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2024.04.26 犬と猫の健康診断(わんちゃんドック・ねこちゃんドック)

犬や猫は自分の不調を言葉で訴えることができません。また、病気を隠す本能があるため、飼い主様が異変を感じ取る頃には病気が進行してしまっていることも珍しくありません。人間よりも早く歳をとる犬や猫に、少しでも長く健康でいてもらうためには、病気を未然に防ぐこと、定期的な健康診断で病気を早期発見・早期治療をすることが重要です。

そこで今回は、当院の健康診断(わんちゃん・ねこちゃんドック)についてお話します。

■目次
1.健康診断って必要?
2.若くても健康診断をお奨めする理由
3.健康診断を受けるタイミングは?
4.健康診断ではなにをするの?
5.当院のわんちゃん・ねこちゃんドックについて
6.まとめ

健康診断って必要?

いつまでも若々しく見える犬や猫ですが、実は人間よりも年を取るスピードが約4〜7倍も早く、6〜7歳くらいには人間でいう「中年」になります。人間でも40歳を過ぎると様々な不調が出てくるように、犬や猫でも健康に気をつけなければいけない時期になります。

しかし、動物は病気になっても症状を表に出しません。また、かなり進行しないと症状が出ない病気もあります。

ほとんどの病気は、早期に発見して早期に治療をはじめることで、良い予後を得ることができるため、一見元気そうに見えても、健康診断は必要なのです。

 

若くても健康診断をお奨めする理由

多くの飼い主様は愛犬や愛猫が高齢になってからの健康診断の必要性を理解していらっしゃいますが、実は若い時期の健康診断も重要なのです。

若い時期に健康診断を受けると以下のメリットがあります。

生まれつきの体の特徴を把握できる
具合が悪くなった時の判断基準ができる
年齢的な変化に気がつける

若くて健康な時期のデータを積み上げることで、年を取ってからの変化に気づきやすくなります。また、将来どのような病気にかかりやすいかを予測し、それに基づいて病気の予防に役立てることもできます。

 

健康診断を受けるタイミングは?

健康診断はいつ受けていただいても構いません。上記の理由で、当院ではなるべく若い時期から始めることを推奨しています。

〈7歳まで〉

子犬・子猫では、去勢・避妊手術の術前検査を兼ねて初回の健康診断を受け、その後1年に1回のペースで受けていただくことが多いです。誕生日近くに検査を行う方もいらっしゃいます。

〈7歳以降〉

中年齢以上、特に7歳以上では、年に1回、わんちゃん・ねこちゃんドックで全身の状態を詳しく検査し、半年後に血液検査を行うことで、健康状態を半年ごとに確認することをお勧めしています。(検査結果次第で追加の検査が必要な場合があります)

 

健康診断ではなにをするの?

健康診断では、以下の検査を行います。

◼️一般身体検査
・問診:普段の様子や変わったことはないかを飼い主様に確認します。
・視診・触診:眼、口腔内、骨格系、皮膚、体表リンパ節などに異常がないかを確認します。
・聴診:心音や心拍数、呼吸音、消化管の聴診を行い、異常がないかを確認します。

◼️血液検査
・血球計算:赤血球や白血球、血小板などの数を把握し、貧血や炎症の有無を確認します。
・生化学検査:肝臓や腎臓、膵臓などに異常がある可能性を評価します
・ホルモン検査:甲状腺ホルモンなどの血中濃度を測定します

その他、心臓病マーカーや炎症マーカーなどの検査項目があります

◼️尿検査
尿石症や膀胱炎、糖尿病の有無を確認します。腎機能の指標にもなります。

◼️糞便検査
消化管内寄生虫や、腸内細菌叢に異常がないかを評価します。

◼️血圧測定
腎臓病や心臓病、ホルモンの病気など様々な疾患で上昇します。

◼️心電図検査
心拍数や不整脈の有無を確認します。

◼️レントゲン検査
腹部・胸部の臓器や骨格系の、形態的な評価を行います。

◼️超音波検査
・胸部超音波検査:主に心臓の形態や血流の評価を行います。
・腹部超音波検査:肝臓、脾臓、消化管、腎臓、膀胱、生殖器などの評価を行います。

◼️歯科検査
歯の本数や歯列・噛み合わせ、歯垢・歯石の付着程度、歯周病・歯周炎・口腔内腫瘍の有無の確認と、簡単なクリーニングを行います。

当院では、上の診断項目のうち、定期的な健康診断として推奨する項目をセットにした、「わんちゃんドック」「ねこちゃんドック」を用意しています。

 

当院のわんちゃん・ねこちゃんドックについて

わんちゃん・ねこちゃんドックは、事前にご予約いただいたうえで半日お預かりし、コースに沿って以下の検査を行います。

血液検査やホルモン検査など、外部の検査機関に検査を委託している検査項目もあるため、検査結果は基本的に後日報告書を郵送いたしますが、検査当日に結果が出ているものに関してはできる限り当日のうちにご説明いたします。

〈一般健診コース〉

7歳未満 16,000円〜
一般身体検査、尿検査、糞便検査、血液検査(血球計算、生化学13項目、電解質)、レントゲン検査(胸部・腹部・骨格系)

7歳以上 29,000円〜
上記+血液検査(血球計算、生化学20項目、電解質、甲状腺ホルモン値)、血圧測定、超音波検査(胸部・腹部)

〈心臓検診コース〉

18,000円〜
心臓病マーカー、血圧測定、心電図検査、胸部レントゲン検査、胸部超音波検査

〈腎臓健診コース〉

22,000円〜
尿検査(UPC含む)、血圧測定、血液検査(血球計算、生化学SDMA含む、電解質)、レントゲン検査、超音波検査

〈歯科検査〉

1,500円〜

※ドック以外に年齢や犬種、猫種、症状にあわせて、ご相談のうえ検査項目を自由に組み合わせることもできます

 

まとめ

言葉を話さない犬や猫の場合、一見健康そうに見えても病気が隠れていることもあります。また、若く健康な時期から定期的な健康診断を行うことで、基礎データを作り、異変があったときの判断基準や老化による変化を早期に発見することができます。
健康診断の基本は血液検査ではありますが、それだけではわからないこともたくさんあるため、当院では定期的なわんちゃんドック・ねこちゃんドックでの総合的な検査をお勧めしています

疑問・質問などあれば、スタッフにお気軽にお問い合わせください。

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