2026.06.16 猫のFIP(猫伝染性腹膜炎)ってどんな病気?原因や症状、現在の治療について
愛猫が「FIP(猫伝染性腹膜炎)」と診断され、不安を抱えながら情報を探されている飼い主様もいらっしゃるのではないでしょうか。
FIPは、かつては治療が難しい病気として知られていました。しかし近年は診断や治療に関する知見が蓄積され、以前とは状況が変わってきています。
今回は、FIPとはどのような病気なのか、見られる症状や診断方法、現在の治療について解説します。

■目次
1.FIP(猫伝染性腹膜炎)とはどんな病気?
2.FIPではどのような症状が見られる?
3.FIPはどのように診断する?
4.現在のFIP治療について
5.まとめ|FIPは早期の相談が大切な病気です
FIP(猫伝染性腹膜炎)とはどんな病気?
FIPは、猫コロナウイルスが関係して発症すると考えられている病気です。猫コロナウイルス自体は珍しいものではなく、多くの猫が感染した経験を持つとされています。
しかし、猫コロナウイルスに感染したすべての猫がFIPを発症するわけではありません。何らかの要因によって体内でウイルスの性質が変化し、異常な免疫反応が起こることでFIPを発症すると考えられています。
比較的若い猫で多く見られますが、シニア猫で発症することもあります。また、多頭飼育環境や保護猫出身の猫で見られることもあります。
FIPの特徴のひとつは、症状の表れ方が非常に多彩であることです。お腹や胸に液体がたまることで気づかれるケースもあれば、発熱や体重減少、神経症状、眼の異常などが中心となるケースもあります。そのため、表れる症状だけでは病気の全体像を把握することが難しく、詳しい検査や経過の確認が重要になります。
FIPではどのような症状が見られる?
FIPで見られる症状はさまざまで、病気の進行状況や影響を受ける部位によって異なります。
<初期に見られることが多い症状>
・元気がない
・食欲が落ちる
・発熱が続く
・体重が減る
<病気が進行すると見られる症状>
・お腹が膨らむ
・呼吸が苦しそうになる
・ふらつく
・歩き方がおかしくなる
・目の色や見た目が変わる
これらの症状はFIPだけに見られるものではありません。実際には別の病気が原因となっていることもあるため、症状だけで原因を特定することは難しいといえます。気になる変化が続く場合は、早めに動物病院へ相談することをおすすめします。
FIPはどのように診断する?
FIPは、症状だけで判断することが難しく、一つの検査だけで診断が確定しないケースもある病気です。そのため、複数の情報を組み合わせながら慎重に判断していきます。
診断の際には、まずこれまでの経過や現在の症状を詳しくお伺いし、身体検査を行います。そのうえで、血液検査、超音波検査、レントゲン検査などを組み合わせ、必要に応じて追加の検査をご提案します。
当院では、検査結果を一つひとつ整理しながら、FIPの可能性だけでなく、似た症状を起こす他の病気についても確認していきます。そのうえで、現在考えられる状態や今後の方針について、飼い主様に分かりやすくご説明することを大切にしています。
現在のFIP治療について
FIPは、かつては治療が難しい病気として知られていました。しかし近年は研究や臨床経験の積み重ねにより、以前と比べて治療の選択肢が広がっています。
ただし、FIPの病型や症状の程度、発症時期、全身状態によって適した治療方針は異なります。「FIPだから必ずこうなる」と一律に考えることはできず、その子の状態に合わせて判断していくことが大切です。
そのため、FIPが疑われる場合や診断を受けた場合は、できるだけ早い段階で動物病院に相談することをおすすめします。早めに状態を把握することで、現在考えられる選択肢や今後の見通しを整理しやすくなります。
<セカンドオピニオンという選択肢>
すでに他院で診断や治療を受けている場合でも、セカンドオピニオンをご利用いただくことが可能です。
セカンドオピニオンは、現在の治療方針を否定するためのものではありません。診断内容や治療方針について別の視点から整理したり、疑問や不安を解消したりするための選択肢のひとつです。
例えば、
・現在の治療について詳しく理解したい
・今後の見通しについて相談したい
・他に考えられる選択肢があるか知りたい
といった場合にもご相談いただけます。
<当院の診療体制>
かず動物病院では、FIPの診断や内科的な治療に対応しており、より高度な検査や専門的な治療が必要と判断した場合には、専門施設とも連携しながら診療を進めています。
FIPが疑われる猫やFIPと診断された猫に対して、飼い主様のお気持ちにも寄り添いながら、その子の状態に合わせた治療やケアの選択肢を一緒に考えていきます。
まとめ|FIPは早期の相談が大切な病気です
FIPは、発熱や食欲低下、体重減少、お腹の膨らみなど、さまざまな症状が見られる病気です。症状だけで判断することは難しく、診断には問診や身体検査、血液検査、画像検査などの情報を総合的に整理していく必要があります。
また、近年はFIPに対する診断や治療の考え方も変化しており、以前より相談できる選択肢が増えてきています。「FIPかもしれない」「診断されたけれど不安がある」と感じたときは、まずはお気軽にご相談ください。
横浜市南区
犬・猫・うさぎ・ハムスター・フェレットの動物診療を行う
かず動物病院
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