Allblog

2025.09.08 犬・猫の目やに、病院に行くべき?獣医師が教える判断基準と対処法

犬や猫の目の周り「目やに」がついているのを見て「これは正常な範囲?病院に連れて行くべき?」と迷われる飼い主様も多いのではないでしょうか。

目やには、健康な状態でも出ることがありますが、病気のサインになっていることもあります。

今回は、正常と異常の目やにの見分け方やご家庭でできるケア、そして動物病院に相談すべき目安についてご紹介します。

■目次
1.正常な目やにと異常な目やにの違いとは?
2.ご家庭でできるケアと注意点
3.動物病院での対応|気になるときは早めの受診を
4.まとめ

正常な目やにと異常な目やにの違いとは?

目やには日常的に見られるものから病気のサインとなるものまでさまざまです。

<正常な目やにの特徴>

健康な犬や猫でも、少量の目やにはよく見られます。例えば次のような場合は、生理的な分泌物と考えられます。

寝起きや活動後に出やすい
黒色・茶色・赤褐色・乳白色などの乾いたタイプ
量は少なく、1日に数回拭き取れば済む程度

これは、涙に混じったホコリや古い細胞が固まったもので、人間の目やにや皮膚の垢と同じようなものです。少量で乾いている場合は、心配がいらないことがほとんどです。

<異常が疑われる目やにのサイン>

一方で、次のような特徴がある目やにには、病気が隠れている場合があります。

急に量が増えたり、大量に付着している
黄色や緑色、血が混じっている
膿のようにどろっとして悪臭がある
片目だけに多く出る
充血やまぶたの腫れ、目を痛がる・開けにくそうにしている

<色や質感ごとに見られる目やにの特徴>

目やにの色や粘り気は、体の中で何が起きているのかを示す大切な手がかりになることがあります。すべてが病気につながるわけではありませんが、代表的な例をまとめると以下のようになります。

目やにの特徴 考えられる原因・病気
黄色・緑色 細菌感染/結膜炎/角膜潰瘍
透明〜白く粘り気あり ウイルス性結膜炎/アレルギー反応/角膜炎
片目だけに多く出る 異物混入/外傷/逆さまつげ
涙やけ(目の下が変色) 鼻涙管閉塞/流涙症/慢性炎症
血が混じる 重度の炎症・外傷・角膜潰瘍

ただし、これらはあくまで傾向であり、見た目だけで原因を判断することは難しいため、正確な診断には必ず動物病院での検査が必要です。少しでも気になる変化があれば、早めにご相談いただくことをおすすめします。

ご家庭でできるケアと注意点

日常のお手入れの工夫は、犬や猫の目のトラブルを減らすことにつながります。ここでは、普段から取り入れやすいケアのポイントをご紹介します。

<正しい拭き取り方>

目やにを取るときは、目に負担をかけないことが一番です。

☑ ぬるま湯で湿らせた清潔なコットンやガーゼで、目頭からやさしく拭き取る
☑ 乾いて固まった目やには、湿らせてふやかしてからそっと取り除く
☑ 強くこすったり、無理に引っ張ったりしない

拭いてもすぐに再発したり、犬や猫が強く嫌がったりする場合は、目に痛みや違和感があるサインかもしれません。

<目の周りの毛が長い犬種・猫種>

シーズー、チワワ、ペルシャなど、目の周囲の毛が長い犬種や猫種は、毛が目に入りやすく、目やにや涙やけの原因となります。
定期的なトリミングで目の周囲の毛を適度に短く整えておくと、清潔を保ちやすくなります。日頃からこまめなケアを心がけましょう。

<市販の点眼薬は避けましょう>

人間用の点眼薬は犬や猫には合わず、有害となる場合があります。また、症状や原因によって必要な薬は異なるため、自己判断での点眼は危険です。必ず獣医師の診断を受けて、適切な治療を受けるようにしましょう。

動物病院での対応|気になるときは早めの受診を

異常な目やにの背景には、結膜炎や角膜炎、角膜潰瘍、ドライアイ、アレルギー、鼻涙管の閉塞、外傷、さらには感染症(猫風邪など)といった、多岐にわたる病気が隠れていることがあります。

見た目だけで正確な原因を判断するのは難しいため、動物病院での検査と診断が欠かせません。

<主な検査>

症状に応じて、次のような検査を組み合わせて原因を調べます。

フルオレセイン染色検査:角膜に傷や潰瘍がないかを調べます
涙液量検査:涙の分泌が正常に行われているかを確認します
細菌やウイルスの培養検査:感染が関係していないかを調べます
血液検査:全身疾患やアレルギーの影響を確認します
眼底検査・超音波検査:網膜や目の奥の状態を詳しく調べます
レントゲンやエコー検査:骨格や周囲の構造に異常がないかを確認します

<主な治療>

検査の結果に基づき、原因に合わせた治療を行います。

点眼薬:抗生物質や抗炎症薬、ヒアルロン酸など
内服薬:重度の場合に併用することがあります
処置:異物の除去や涙管洗浄など
外科手術:構造的な異常や重度の疾患に対応する場合
アレルギー管理:生活環境の見直しや継続的なケアも重要です

このように、症状を丁寧に確認しながら必要な検査を選んで原因を突き止め、オーダーメイドの治療を行っていきます。早めに受診することで、愛犬・愛猫のつらさを和らげ、目の健康を守ることにつながります。

まとめ

犬や猫の目やには、健康なときにも見られますが、色や量、質感に異常があるときは病気のサインであることがあります。放置すると悪化して視力に影響を及ぼすおそれもあるため、早めの受診が大切です。

日ごろの観察と正しいケアを心がけながら、異変を感じたときには迷わず動物病院へご相談ください。特に横浜南区周辺で犬や猫の眼科診療に対応できる病院をお探しの飼い主様は、かず動物病院までお気軽にお問い合わせいただければと思います。

⭐あなたの「役立ったよ!」を、星で教えていただけると嬉しいです⭐
1つ星2つ星3つ星4つ星5つ星 (2 投票, 平均: 5.00 / 5)

◼️関連記事

 

横浜市南区
犬・猫・うさぎ・ハムスター・フェレットの動物診療を行う
かず動物病院
当院の診療案内はこちら