2025.08.25 犬や猫の目が白い時・赤い時の対処法|症状別の原因と受診のタイミング
愛犬・愛猫の目が「白っぽく見える」「赤く充血している」といった変化に気づくと、不安になる飼い主様も多いのではないでしょうか。目の異常は、視力の低下や失明につながる病気のサインであることもあり、早期の対応がとても大切です。
今回は、犬や猫の目が白い・赤いときに考えられる主な原因や、ご自宅でのチェックポイント、動物病院での診療内容について詳しく解説します。
■目次
1.目が白く見えるときに考えられる主な原因
2.目が赤く見えるときに考えられる主な原因
3.ご自宅で確認できるチェックポイント
4.動物病院での眼科診療について
5.まとめ
目が白く見えるときに考えられる主な原因
犬や猫の目が「白っぽく見える」とき、その原因は見た目の印象だけでは判断が難しく、白さの出方や部位によって考えられる病気が異なります。ここでは、よく見られるケースとその背景についてご紹介します。
<瞳の部分が白く濁って見える場合>
黒目の奥の部分が白っぽく見えるときは、水晶体に異常が生じていることがあります。
・白内障
水晶体(目の中のレンズ)が白く濁る病気で、高齢の犬や猫によく見られます。ただし、若齢でも遺伝や糖尿病、外傷、炎症などが原因となることがあり、必ずしも加齢だけが要因とは限りません。進行すると視力が大きく低下するため、早期発見が大切です。
・核硬化症
加齢に伴って水晶体の中心が硬くなり、白く見えることがあります。白内障と見た目は似ていますが、視力への影響はほとんどなく、治療も不要な生理的な変化です。正確に見分けるには、獣医師の診察が必要です。
<目の表面が白く曇って見える場合>
黒目の表面に白っぽさや曇りが見られるときは、角膜に異常があることが考えられます。
・角膜炎・角膜潰瘍
角膜(黒目の表面)に炎症や傷ができると、白く濁って見えることがあります。原因としては、外傷・異物の混入・細菌やウイルスの感染などがあり、放置すると重症化するおそれがあります。痛みを伴うケースも多く、早めの処置が必要です。
・角膜ジストロフィー・角膜浮腫
角膜に白い斑点が現れたり、全体が白く曇ったりする遺伝性の病気です。痛みや視力障害は軽度なことがほとんどですが、見た目で気づかれることが多く、経過観察を要するケースもあります。
<その他に考えられる原因>
視覚に大きく関わる深刻な疾患や、目以外の体の異常が関連していることもあります。
・緑内障
眼圧が高くなることで角膜が白く濁ることがあります。急性の場合は、強い目の痛みや眼球の突出、充血などが見られ、急速に進行して失明に至ることもあります。少しでもおかしいと感じたら、早急な対応が必要です。
・全身性疾患による影響
糖尿病や高血圧、腎不全などの全身的な病気が原因となって、白内障や網膜の異常を引き起こすことがあります。目の症状が、実は体全体の異常を知らせるサインであるケースもあるため、注意が必要です。
このように、目が白く見える原因はさまざまで、年齢や見た目だけでは判断がつかないことも少なくありません。異変に気づいたときは、そのままにせず、早めに診察を受けることをおすすめします。
目が赤く見えるときに考えられる主な原因
犬や猫の目が「赤くなっている」と気づいたとき、その赤みがどこに出ているか、ほかにどんな症状を伴っているかによって、疑われる病気は異なります。ここでは、赤みの出る部位ごとに代表的な原因を紹介します。
<白目が赤く見える場合(結膜や強膜の充血)>
目の表面にある白目部分が赤くなるのは、炎症や刺激によって充血が生じているケースがよく見られます。
・結膜炎
目の表面を覆う結膜に炎症が起こり、赤く充血します。ウイルスや細菌の感染、アレルギー、乾燥、異物の混入など、原因はさまざまです。軽度であっても目をこするなどの二次的なトラブルにつながることがあるため、早めの対応が安心です。
・角膜炎
角膜(黒目の表面)の炎症のなかでも、強い赤みや痛み、涙の増加が見られます。進行すると角膜潰瘍へと悪化することがあり、視力に影響することもあるため注意が必要です。
<黒目や目の中が赤く見える場合(眼内出血)>
目の奥の出血や炎症により、瞳が赤く見えることがあります。
・ぶどう膜炎
目の内部にある「ぶどう膜」に炎症が起こることで、充血や痛み、視力の低下などが見られます。感染症や免疫の異常など、原因は多岐にわたります。視覚障害につながるおそれがあるため、早期の診断が重要です。
・緑内障
眼圧の上昇によって目の中の構造に負担がかかり、強い充血・眼球の突出・痛みなどが生じます。進行すると視力を失う危険性があるため、緊急性の高い病気のひとつです。
・網膜剥離・眼内腫瘍
目の奥で出血が起き、黒目の中が赤く見えることがあります。高血圧や腫瘍などが原因となるケースもあり、眼だけでなく全身状態の確認が必要です。
<まぶたや目の周囲が赤くなる場合>
目の外側やまぶたの皮膚に赤みや腫れが見られることもあります。
・眼瞼炎・皮膚炎
まぶたやその周囲の皮膚に炎症や腫れが出る病気で、外傷やアレルギー、細菌感染、腫瘍などが関係していることがあります。まばたきがしづらくなったり、目の保護機能が弱まったりするため、早めのケアが大切です。
<その他に考えられる原因>
思わぬケガや事故が目にダメージを与えているケースもあります。
・外傷による出血
ぶつけたり引っかいたりした外傷によって、目の内部で出血が起き、全体的に赤く見えることがあります。外傷は見た目以上に深刻な損傷を伴うこともあるため、早めに検査を受けることが望ましいです。
このように、目が赤くなる原因は一見すると軽く思えるものから、視力を脅かす重大な病気まで幅広く存在します。気になる場合は迷わず動物病院にご相談ください。
ご自宅で確認できるチェックポイント
日々の生活の中で、飼い主様がちょっとした目の異変に気づいてあげることが、愛犬・愛猫の健康を守る第一歩になります。
以下のようなポイントを意識して観察してみてください。
・白目や黒目の色が、いつもと違って見える
・目やにや涙の量が増えたり、色や性状が変化している
・まばたきの回数が増えている
・前足で目のあたりをこすったり、床に顔をこすりつけるしぐさをする
・家具や壁などによくぶつかる、段差でつまずく
・まぶたや目の周囲が腫れている、赤くなっている
・目を開けづらそうにしている、痛がる様子がある
目の病気の中には、進行がとても早く、わずかな遅れが視力の低下や失明につながるものもあります。さらに、糖尿病や高血圧など、全身の病気が原因となって目に異常が出ているケースも少なくありません。
「気のせいかな」と思うような小さな違和感でも、早めの受診が大きなトラブルを防ぐことにつながります。
動物病院での眼科診療について
犬や猫の目の診療には、繊細な観察力と専門的な検査が欠かせません。
当院では「なぜその症状が出ているのか」を丁寧に紐解きながら、犬や猫にとってできるだけ負担の少ない診療を心がけています。
<問診・身体検査>
目の異常がいつから、どのように見られるかといった経過や、日常の生活環境などを詳しくおうかがいしたうえで、全身状態も含めて診察を行います。
<眼科検査>
症状に応じて必要な検査を組み合わせ、原因を丁寧に見極めていきます。
・視覚検査:見えているか、目に対する反応があるかを確認します
・スリットランプ検査:角膜や水晶体の状態を詳細に観察します
・フルオレセイン染色検査:角膜に傷や潰瘍がないかをチェックします
・涙液量測定:ドライアイの可能性を確認します
・眼圧測定:緑内障やぶどう膜炎の早期発見に役立つ検査です
・眼底検査・超音波検査:網膜や眼内の腫瘍・出血などを調べます
・血液検査:糖尿病や高血圧などの全身疾患が関係していないか確認します
<主な治療方法>
治療にあたっては、飼い主様のご不安やご希望を伺いながら、一頭一頭に合わせた最適なケアをご提案いたします。
・薬による治療
症状や病気に応じて、点眼薬や内服薬を処方します。
・手術による治療
白内障手術(人工レンズの挿入)や、緑内障・腫瘍の手術などを行う場合もあります。
・生活環境の調整
視力の低下が見られる場合には、安心して過ごせるような環境づくりのアドバイスもいたします。
目のトラブルは日常生活にも大きく関わるからこそ、安心して任せられる存在でありたいと私たちは考えています。気になる症状がある際は、どうぞ遠慮なくご相談ください。
まとめ
犬や猫の目が、白い・赤いといった状態は、白内障や緑内障、結膜炎などの病気が関係している場合があります。なかには失明のリスクを伴うものもあるため、少しでも異変を感じたら早めの受診が大切です。
また、目の異常は糖尿病や高血圧など、全身疾患のサインであることもあります。ご家庭でのこまめな観察と定期的な健診が、愛犬・愛猫の視力と健康を守る第一歩です。
横浜市南区周辺で、目のトラブルにお悩みの飼い主様は、どうぞお気軽にかず動物病院までご相談ください。
⭐あなたの「役立ったよ!」を、星で教えていただけると嬉しいです⭐
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